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戦国やらいでか…【戦国】特別読切り-鶏-【やらいでか】

2015/11/09

 3匹のにわとり

この物語は、ギルド「にわとり」の主力を成す
りん、とら、刹那の猛丸の半生を描いた物語である。
  


追記: 第一話 刹那

比内鶏は江戸時代に秋田県北部の地鶏に軍鶏を交配した鶏種とされている。

猛丸は、山形県で産まれた。

父は一帯の比内鶏を治める長、猛虎(たけとら)であった。
時代は戦国。軍鶏、比内鶏、烏骨鶏、各地鶏、名古屋コーチン等が
しのぎを削り天下を伺う、にわとり戦国時代であった。

猛丸は、その第2勢力である比内鶏の長、猛虎の長男として生まれた。
幼少の頃から文武ともに優れた才能を持った猛丸であったが
それを指導したのは朧(おぼろ)であった。

朧はその稀有な才能を猛虎にかわれ、
若干1歳(人間でいうと17,18歳)の若さで
比内鶏のナンバー2といえる軍師になり、活躍していた。

猛虎は猛丸が生まれた後、朧を猛丸の指南役として任命し、
比内鶏の未来を担う我が子の成長ぶりを見守っていた。

朧は猛丸に文武ともに才能があるが、より武術の道に
才能が多くある事を見出し、猛虎にそれを報告していた。

猛虎は、それならば我が軍には若き軍師殿がいるから、
猛丸には、存分に武の才を伸ばすようにせよと朧に命じ、
朧もこれに従った。
猛虎は比内鶏の未来は長く安泰とみて、喜んでいた。

猛丸が一歳になった時、初陣の機会がやって来た。
相手は近年勢力を伸ばしてきた、新潟地鶏のおもちまる。

新潟地鶏はおもちまるの代になって以降、その勢力を拡大し
ついに比内鶏の勢力圏にまで迫ってきたのである。

猛虎は朧の進言を受け、比内鶏軍の先鋒に長男の
猛丸を抜擢したのである。

新潟地鶏軍3万に対し、比内鶏軍4万5千。
数の上では大差があったが、猛丸は初陣を飾れる事を喜んでいた。

朧は事前に新潟地鶏の情報を集めていた。

そして、武勇に優れるおもちまるに軍師が付いて居ないことを確認し、
策を練っていた。
その策とは、猛丸とおもちまるが正面から戦っている間に
猛虎の別動隊が、おもちまるの本隊を後ろから突くという作戦であった。

もしも、猛丸が敗走しても、後ろから猛虎がおもちまるに襲い掛かれば
その時点で勝利は確かなものになる。
さらに朧は猛虎にも明かさない秘策も用意していた。

かくして若干1歳の猛丸の初陣が決まった。

場所は磐梯山裾野の摺上原(すりあげはら)

猛丸は敵本陣に一番近い城に早々に入り、朧もこれに続いた。

この知らせを聞いたおもちまるは、挑発の為に
猪苗代湖畔の民家を襲い、人質に取った。

この挑発に応じた猛丸は城から出陣した。

朧は同時に猛虎への合図となる狼煙をあげた。
朧は猛丸の後詰めとして出陣し、猛虎も別動隊として出陣した。

摺上原は緩やかな丘陵地帯であるが、
開戦当初は強風が西から東にかけて吹いていた。

その為、西から出陣していた猛丸本隊はより一層の勢いを持って
おもちまる本隊と衝突した。

この時点では新潟勢約3万、比内鶏勢約4万の兵力で、猛丸がやや押していた。

正面から当たられた事に逆に驚いたおもちまるであったが、
すぐに余裕の笑みを浮かべ戦場に舞い降りた。

新潟地鶏おもちまる。

おもちまるは通常の新潟地鶏と明らかに違う点があった。
それはその体の大きさである。
通常の地鶏の約2倍の身長で、約3倍の質量を持つ
とんでもない巨体の地鶏であった。
そのおもちまるが戦場に降り立っただけで、周囲の雰囲気が変わった。

そして、おもちまるが突進を始めると
精鋭たる比内鶏達もダンプカーにはねられる軽トラックの様に
次々に跳ね飛ばされていった。

朧は遠くからそれを見て、青ざめていた。
新潟地鶏おもちまるが巨躯を持ち、
豪の者という情報は掴んでいたが、まさかこれ程とは。

「戦闘の勝敗よりもまず先に、猛丸様の命を最優先しなければならない。」

後詰の朧も慌てて最前線に向かった。

一方の猛丸は、戦場の異変に気づいていた。

開始当初は追い風も吹き、押し気味に進めていたが
相手の後退する足がぴたりと止まり、
逆に押し返され始めていた。

そして戦列の最前線で暴れまわる1匹の巨大なにわとりを見た。
おもちまるだった。
おもちまるの周りには比内地鶏が死屍累々となっていた。

あれが、敵将-おもちまる-。
猛丸はそれを見るや否や、周囲の制止も聞かず
おもちまるに突進していくのだった。

一方、別動隊の猛虎は大急ぎでおもちまる本隊の背後にまわり込み、
突撃を開始していた。戦闘はこう着状態に見えた。

そして交戦、背後を突かれた新潟地鶏たちは
あえなく磐梯山の裾野で次々に散っていった。

猛虎は新潟地鶏の軍を散々にかき回しながらも
嫌な予感がしていた。

敵将おもちまるが見当たらなかったのである。
最前線で戦っているのかも知れない。

まずは後方から様子を見ろと、猛丸には何度も進言したが
猛丸の性格上、前に出る可能性は充分にあると考えていた。

猛虎は急いで新潟地鶏をかき分け、最前線まで突撃した。

到着した猛虎は、すさまじい光景を目にした。

死屍累々となっている比内鶏。
その中心にいるとんでもない巨体のにわとり。
そして、それと血だらけになりながらも戦う猛丸の姿であった。

おもちまるはその力だけでなく、速さも通常のにわとりとは
異次元のものだった。
しかし、猛丸も動きの速さでは負けず、
加えて天性の才能で戦いぬいていた。

おもちまるの嘴(くちばし)、そして爪による素早い攻めで
猛丸の体は徐々にぼろぼろになっていった。

猛虎は猛丸の劣勢を確認するや否や、
「比内鶏総大将、猛虎!ここにあり!」と名乗り
おもちまるに突進していった。

その瞬間、おもちまるの目が光った。

おもちまるは知っていた。
目の前の若武者が猛丸という
比内鶏の先陣を任された後継ぎだという事を。

そして、待っていた。
「こいつ相手に優勢に戦っていれば、その内親が出てくるだろう。」
待っていたのである。猛虎が出てくる事を。

かくして、助太刀しに慌てて参戦した猛虎だったが
おもちまるが突如その身を翻し一閃放った嘴に、
猛虎は虚を突かれ、避けることは出来なかった。

おもちまるの嘴は猛虎の急所をとらえ、猛虎はあっけなく死んでしまった。

そして、おもちまるが勝鬨の声をあげようという時、
朧の声が戦場に響いた。

「やあやあ、新潟地鶏大将おもちまる!
 我が軍の総大将を討ち取った事、敵ながらあっぱれ!
 しかし、新潟地鶏軍は既に壊滅している!
 加えて、我が軍にはまだお世継ぎの猛丸様がいる!
 そして、これを見よ!」

朧が向いた方向には、おもちまるの妻と子供とみられる新潟地鶏がいた。
そして、その横には朧の手勢と見られる比内鶏が立ち、
いつでもその命を奪える状況にあった。

おもちまるは何故新潟にいるはずの妻子がここにいるのか、
理解できなかった。
別人?いや、あれは間違いなく我が妻、そして我が子-

朧は万が一の時に備え、内通者を新潟地鶏に送り込み、
事前にその妻子を人質にとる作戦を練っていたのであった。

「卑怯、卑怯なり比内鶏・・・」怒りに震えるおもちまるであったが
人質に取られた我が子を前に、降伏、そして死を覚悟するしかなかった。

猛虎の躯の前で、茫然としていた猛丸であったが
立ち上がり咆哮をあげた。
それは亡き父に対する惜別の咆哮であった。

そして、猛丸は言った。
「人質なんかどうでもいい!オレが父上の仇を取る!」

そして、おもちまるに飛びかかって行った。
おもちまるも、それに応戦した。

好都合である。
比内鶏の総大将に、後継ぎ、両方始末できれば
比内鶏も諦めて降伏するしかなくなる。

妻子の為にも、自分の為にもこの若武者には死んでもらう!
そう考えたおもちまるであったが、ハッとした。

敵の様子がおかしい、さっきより動きが速い。
目で追うのがやっとになってきた。

加えて手ごたえがおかしい、嘴が当たった時に
肉を裂く感触がなくなった。

それどころか、自分の嘴が削れていることに気が付いた。

相手の羽毛は逆立っていた。
怒髪天を突く、という言葉を聞いたことがあるが
おもちまるにとって、それは初めて見る光景であった。

猛丸はアドレナリンの過剰分泌により、体内の筋肉硬度が極度に上昇し
かつ羽毛にまでその緊張を伝えることで、羽毛も硬質化し逆立っていた。

羽毛そして、体内とも極端に硬質化した肉体となっていた。

そして、猛丸はその状態から一気におもちまるに向かって突進した。

おもちまるもそれに合わせ、猛丸に突進した。
おもちまるに逃げ道はなかった。勝つしかないのである。

超高速で突進するにわとり2匹の嘴が交錯し、
その刹那、1匹のにわとりの体が宙を舞った。

おもちまるだった。

巨体を誇るおもちまるだったが、限界を超え、極限の肉体により
生み出された猛丸の突進力には勝てなかったのである。

羽毛が飛び散り、血まみれとなったおもちまる。
そして、その頭上には猛丸がいた。

朧は言った「とどめを刺しましょう。それから一族を根絶やしにするのです。
      それで新潟は我々の手に落ちます。」

猛丸は戸惑った。
父親の仇は取るつもりでいた。しかし、一族を根絶やしとは。

猛丸はまだ若く、即座に判断する事は出来なかった。

おもちまるは言った「ワシの事はいい、家族だけは家族だけは助けてくれ!」

戦国では戦争に負けた一族の皆殺しは当たり前-
しかし、この若武者なら-
わずかな可能性に希望を託した最後の願いだった。

猛丸は、父親を奪ったおもちまるは憎かったが、
同じ事をおもちまるの息子にすることは出来なかった。

そして、おもちまるを一族揃って佐渡島への流刑処分という、
この戦いでの比内鶏側の被害を考えると、
これ以上ない軽い処分に処し、この戦争の幕を引いたのである。

かくして若干1歳で比内鶏の当主となった猛丸。

おもちまるとの戦いで最後に見せた刹那の突撃から、
味方の比内鶏からは刹那の猛丸様と呼ばれる様になった。

そして比内鶏は新潟から東の広範囲及び東北地方全てを手中に収め、
勢力範囲は比内鶏史上最大となった。

比内鶏は猛丸の代で天下を伺う第一勢力へと変貌していったのである。


第一話 刹那 完


wasi








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